「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキングで単身者向け、ファミリー向けともにインターネット無料が1位に輝きました。
この調査は、全国賃貸住宅新聞が全国の不動産会社に調査を行い、355社から回答を得たものです。テレワークや、オンライン授業、動画視聴など、新型コロナウイルス下でさらに要望が高まっていることが結果の背景にあると考えられます。管理戸数700戸、元付けとして年間約350件の賃貸仲介を行う臼井不動産では、無料インターネットを導入した物件について、相場より家賃を1割高くしても入居が決まるといいます。管理部の佐藤輝氏は「スマートフォンやパソコンを当たり前に持つ時代。ネット無料だと、これらのランニングコストが浮くという点で、職種など関係なく全世代から人気の設備だ」と語っています。
また、インターネットの回線にこだわりを持つ人も多くいます。「高速インターネット」は、単身者向けで前回4位から3位、ファミリー向けでは前回8位から4位と、ともに順位を上げています。東京都八王子市を中心に、約6000戸を管理し、年間の賃貸仲介件数約3000件のエスエストラストは、管理物件の約7割が高速インターネットを含むネット導入物件で、その大多数を入居者に無料で提供しているとのことです。高速インターネットの定義は、戸あたりの通信速度1Gbps以上とされ、滝石泰弘取締役は「2022年繁忙期は、通信速度を気にする顧客が増えた。1Gbps以下の物件は、顧客に落胆される印象もある。商圏全体で見てもインターネット導入物件は7割を占めているため、高速インターネットは、競争力を高める設備という位置づけ」と語っています。高速インターネットを求める声は、学生から20~30代の社会人まで幅広く、動画配信サービス「YouTube」の視聴が流行していることや、オンラインDVDレンタル及び定額制動画配信サービスの流行が需要増加の背景にあると考えます。高速インターネットが家賃に与える効果としては、プラス1000~2000円程度だといい、「大幅な家賃アップにつながる設備ではなく、家賃を下げずに戦える物件になる」と考えられます。
参考:全国賃貸住宅新聞